漬けもん(お漬物)、好きですか?
あなたは「漬物」お好きですか?当たり前に食卓に在ると、正直あまり興味は沸かず、でも一度離れると、又はその漬物の季節がやってくると、ムショーに食べたくなる!なんて事ありがちでは?それは何故か。…今回は漬物の秘密にちょっとだけ迫ってみます。
人類と漬物の歴史は古く、中国では三千年以上も前からあり、今も千種類以上あるのだそうです。日本でも縄文時代からシンプルな塩漬けは存在していて、平安時代には30種以上記録があります。江戸時代に白米食が大ブレークして、それまで主に玄米食だったからこそ摂取できていた栄養素が一気に欠乏して、江戸で「脚気(ビタミンB1不足が原因)」が流行ったとか。でも田舎に帰って玄米食に戻ると治ったという人が多いと、日田人OB大蔵永常こと徳兵衛さんの当時の本に、そう書かれていました。米を剥いだら出る「ぬか」が出回るようになって、糠漬けやたくあんが広まったのだそうです。 大根も高菜も漬かり始めると結構強烈な匂いがしてきます。それなのにあくまで「臭い・匂い」ではなく「香り」と表現し「香の物」「お新香」と昔から表記される事に、少々違和感を覚える私は、きっと本当の漬物の風味と香りの良さにあまり出逢っていないからかも…。
あと、最近出逢った腑に落ちる言葉「テリトーリオ」。今、イタリアで普及してきた考え方で、英語のテリトリーとはちょっと意味が違うそうです。豊かな食文化やその土地の風土を活かした産品づくりは江戸時代の徳兵衛さんの本「広益国産考」に大いに通じるものがあります。がめ煮とかたらおさとか、昆虫とか植生とか、方言とか、温泉とか、水が合うとか合わないとか、そんな話と重なります。日田では馴染みの「高菜漬け」も全国にもありますが、場所で少しづつ漬け方や食べ方に違いがあるようで面白いですよ。
皆の「推し度」で生き残り続けたもの。
テリトーリオ的に注目すれば、白菜のフレッシュな漬物は、産地である日田ならではでは?更に狭めると、前津江の漬物「花わさびの粕漬」もサイコー!!咸宜園で百本大根が入る四斗樽でたくあんを百樽も漬けていた記録がありとても興味深いところですね。
漬物の栄養価の話など、保存版としてお正月にでもこたつでゆっくり眺めてね♪
土地の持つ自然条件、あるいは大地の特質を活かしながら、そこを舞台に人間の多様な営みが展開してきた。農業、牧畜、林業、もろもろの産業が営まれ、町や村の居住地ができ、田園には農場、修道院が点在し、これらを結ぶ道のネットワークもできる。そこに歴史や伝統が蓄積され、固有の景観が生まれてきた。こうした社会的、文化的なアイデンティティを共有する空間の広がりとしての地域あるいは領域が「テリトーリオ」なのである。 (陣内秀信氏)
花わさびのかす漬
3月末から4月中旬頃の、花がついた(とう立ちした)わさびの茎葉を、花ごと食べやすい大きさに切り、90度の鍋の湯の中に浸けて、たぎる前にさっと上げて絞る。酒粕に味噌と砂糖を好みで混ぜたものと和える。辛味が抜けないように、タッパなど蓋が密封できる容器に詰めて冷蔵庫へ。とにかくサッと作業しないと風味と辛味がとんでしまう。翌日から食べられる。辛味が抜けないうちに2〜3日で食べ切る。
大根のいちろく漬
大根(1本は約1kg)6kgに、砂糖800g、塩1合※180g、酢1合※180ml、酒1合※180ml(焼酎やビールでもOK)、かくし味にゆずごしょう大さじ1を用意。大根は↑写真のように1.5cm厚×4〜5cm長さの短冊にカット。容器や袋に入れて重しをして5日〜1週間ほどで食べられる。※料理酒には食塩が入っているので塩加減要注意。漬け上がりの切り方は、繊維に沿ったり断ち切ったり、薄切り厚切りお好みで!
白菜漬
白菜(1玉は約2kg)10kgに、塩350g(寒い時は300g)、ゆずごしょう適宜、さとう100g、唐辛子(輪切り)適宜を用意。白菜は半分に割って半日ほど天日に干す。↑写真のようにゆずごしょうをなすりつけて、樽に砂糖・塩・唐辛子と共に交互に重ねて重しをする。ゆずごしょうの塩分を考慮して塩加減の調整を。1〜2日で水が上がって食べられるが、冷蔵庫で7〜10日寝かせば酸味が出てそれもまた美味しい。即席で漬物器(p6参照)での切り漬けもお勧め。さっと洗って食べる。
高菜漬
4月の末から5月の始め頃、収穫した高菜を洗い根元の泥を古歯ブラシでよく落とす。竹竿に吊り下げて雫をとりしんなりさせる。高菜10kgに塩400g用意。大きい株は2つに割る。繊維を柔らかくする為に塩でこねてから、樽の底に軸を中心側に菊化型に並べて、次の段は軸を外側にして…と交互に一段づつ並べていく。重しをして1ヶ月くらいで小さい袋に小分けして冷凍保存すれば2年は美味しく食べられる。↑写真は定番古漬けの炒め煮
前津江で40年以上食品加工所を営んできた
梶原公人さん(86才)・三代さん(83才)
ご夫妻に漬物の作り方を教えて
いただきました。
ありがとうございます!
漬物は塩分が体に良くないから…は過去の価値観!?
こんなに判ってる
衝撃!!漬物の真実。
日田の代表的なつけもんといえば…
高菜漬も全国で違う。
高菜漬
「ふるさとの家庭料理 第8巻
漬けもの」解説 奥村彪生(農文協・2003年) より
4月の上旬、高菜のとうが少し出かかったころに根元から切る。切ったら畑にそのままおいて、しなびたら持って帰る。洗って水気を切っておき、塩をふってよくもみながら四斗樽(しとだる)に荒漬けする。樽の底に塩をし、一段並べては塩をふり、汁が上がってから1週間くらいして本漬けにする。 本漬けは、塩ととうがらしを入れて漬け、重しをかける。押しぶたの上にあく汁が出るので、これをとり除き、押しぶたや樽のまわりをふいて、いつもきれいにしておく。
1か月くらいたってから食べはじめる。酸味の出てきた古漬けは、水にさらして小さく切って煮て食べる。
一年中よく食べる漬けもん(漬けもの)は百本漬(たくあん)、高菜漬、梅干し、らっきょう漬(らっきょうの甘酢漬)である。そのほか味噌漬、山汐菜(やましおな・からし菜の一種)や京菜の一夜漬、うり粕漬などもつくる。
昭和な「漬物器」が今 とってもカワイイね♡
便利な卓上漬物器も今はいろいろ商品化されています。蓋が重しになるガラス製の漬物鉢なども素敵!ホームセンターには陶器製の甕やプラの樽もちゃんと揃っていて、漬物用の糠や昆布などもコーナーにありますよー!
生活習慣病予防・腸内フローラ改善。
水溶性食物繊維イヌリンはビフィズス菌
の増加作用あり。血中中性脂肪低減効果、
食後血糖値上昇抑制効果。
漬物100g当たりの食物繊維含有量
たかな漬……5.2g
からし菜漬……5.0g
ザーサイ……4.6g
しば漬……4.4g
なすのからし漬…4.2g
なめたけ……4.1g
かぶのぬか漬(葉)…4.0g
ふくじん漬……3.9g
たくあん漬……3.7g
うめ干し……3.6g
きょう菜の塩漬……3.5g
オリーブのピクルス…3.3g
らっきょう甘酢漬……3.1g
なすの塩漬……2.7g
わさび漬……2.7g
キムチ……2.7g
なすのぬか漬……2.7g
のざわ菜……2.5g
しょうがの酢漬(紅しょうが)2.4g
なら漬……2.4g
うりの塩漬……2.2g
しょうがの甘酢漬(がり)2.0g
かぶのぬか漬(根)…2.0g
かぶの塩漬……1.9g
はくさい漬……1.8g
べったら漬……1.8g
だいこんぬか漬…1.8g
きゅうりのピクルス…1.7g
きゅうりのぬか漬…1.5g
きゅうりの塩漬……1.3g
野菜や漬物には、動物性食品には少ない カリウムが豊富に含まれている。カリウム は、ナトリウムの排出を促し血圧上昇を抑制する働きがあることから、栄養機能表示 ができるミネラル6種類のうちの一つとなっている。ヒトの体の細胞内にはカリウムが、細胞外にはナトリウムが多く存在し、常に一定のバランスを保っている。しかし、このカリウムとナトリウムのバランスが崩れると、細胞内から水分が血液中に移動する。その結果、血液などの細胞外液 が増加、つまり、血液中の水分が増加し血圧が上昇し、これが高血圧の原因の一つと されている。野菜を多く摂取し、カリウムを体内に取り込むことは、余分なナトリウムを尿中に排出することにつながり高血圧 予防にもなる。
ザーサイ……680mg
きゅうりのぬか漬……610mg
かぶのぬか漬(葉)…540mg
からし菜漬け……530mg
かぶのぬか漬(根)…500mg
たくあん漬……500mg
だいこんぬか漬…480mg
きょう菜の塩漬…450mg
たかな漬……450mg
梅干し……440mg
なすのぬか漬……430mg
キムチ……340mg
なめたけ……320mg
かぶの塩漬……310mg
のざわ菜……300mg
なすの塩漬……260mg
はくさい漬……230mg
うりの塩漬……220mg
きゅうりの塩漬…220mg
べったら漬……180mg
わさび漬……140mg
なら漬……100mg
ふくじん漬……100mg
なすのからし漬…72mg
しば漬……50mg
オリーブのピクルス…47mg
らっきょう甘酢漬……38mg
しょうがの甘酢漬(がり)…27mg
しょうがの酢漬(紅しょうが)…21mg
きゅうりのピクルス…18mg
資料:五訂増補日本食品成分表
植物性乳酸菌は腸まで届く!便通を良くし、腸内の善玉菌
を増やし悪玉菌を減少させ腸内環境を改善 する整腸作用、ウイルスなどに対する免 疫を高める作用
野菜の色素や渋み成分に含まれている。抗菌作用・抗酸化作用・老化防止作用・発がん抑制作用・抗アレルギー作用
抗炎症作用や抗酸化作用。だいこん、 はくさい、野沢菜、高菜、かぶなど、アブ ラナ科野菜に多く含まれている。
★漬物には食物繊維をはじめ、ビタミン類、ミネラル、薬効を有する香辛料など、
健康を維持するのに有用な成分を数多くふくんでいます!
★特に「ぬか漬け」はビタミンが豊富で、キュウリなどは生の5倍ものビタミンB1があるゾ!!
★発酵漬物は乳酸菌の宝庫でヨーグルトと同じくらい含まれている。乳酸菌は整腸作用
や免疫機能を高める!しかも植物性乳酸菌は動物性乳酸菌よりも胃での生存率が高く、
腸まで届く確率も上がるよ!ピロリ菌に対して抗菌作用を持っていたり、
花粉症に軽減作用があることもわかってきています!!
★糖尿病、大腸ガンなどのいわゆる生活習慣病は、食物繊維不足が原因の1つと明らかに
されていて、生野菜よりもたくさん食物繊維がとれる「漬物」は期待のホープだ!
引用資料
○野菜情報「漬物の健康機能性」2020.6(農学博士・東京家政大学 大学院 客員教授 宮尾 茂雄)
○つけもの〜その魅力と健康力〜(東京家政大学大学院 宮尾 茂雄2023.08.31シンポジウム資料より)
美味さのために惜しまない手間。
荒漬け(下漬け)と本漬けの「二度漬け」
二度漬けなんてめんどくさそう!だけど…昔はこの方法が多かったようですね。もちろん今でも「当たり前の作り方ですよ」という方もいらっしゃるかもしれません。例えば関東では、生の大根を塩で漬け、水があがったら漬け替えをする、大根を干さずに作るフレッシュでさわやかな味わいのたくあんが作られているそうです。最初に大根から出てくる漬け液は水がほとんどで、うまみ成分は少ないので、漬け液を捨てて漬け替えすることで、うまみが濃縮されるそう。最近は便利な保存袋で「簡単漬物」がとても流行っていますが(梅干しも袋漬けすれば本当に手軽にできる!)、あえて二度漬けにチャレンジしてみるのもイイかもですね〜♪
お隣さんの国
白菜キムチ
材 料
・白菜…2kg(約1玉)
・大根…400g(約1/3本)
・ニラ…1束
・塩……80g
<ヤンニョム>
○キムチ用唐辛子粉…100g
○ナンプラー…80g
○はちみつ…大3
○おろし玉ねぎ…120g
○おろしりんご…120g
○生姜…大1
○おろしにんにく…大2〜3
○アミの塩辛…50g
○キムチのり…大3
<キムチのり>
○上新粉又は小麦粉…大2
○水…200ml
作り方
1. 白菜はざく切りにして袋に入れ塩をふり、密封して40分〜1時間常温で塩漬けにする。
(均等に漬かるようにするため)2〜3回向きを変える。
2. 鍋にキムチのりの材料を入れ強火にかけ、混ぜながらとろみが出るまで1分ほど煮て火を止め冷ましておく。
3. 大根は細切りにして、ニラは4cmの長さにカットする。
4. ボウルに、キムチのりと、ヤンニョムのその他の材料を全て入れ混ぜる。
5. 4のボウルに大根を入れ手でよく混ぜる。大根がしんなりしたらニラを加えて混ぜる。
6.白菜の塩漬けが終わったら2回ほど流水で洗う。ザルにあげ30分ほど水気を切る。
7.白菜の「芯」はそのまま、「葉先」のみ水分を軽く絞り5のボウルに入れ味がなじむように混ぜる。
8. 味見をして、お好みで「はちみつ」と「ナンプラー」を足し甘さと塩加減を調節する。
○辛さ、甘さ、塩加減は好みで調整してOK!
○外側が青く、中が黄色い白菜を選ぶと甘くて美味しい!
○すぐに食べることもできますが、1〜2日以上冷蔵庫で寝かすとさらに美味しくなります。
ザワークラウト
・キャベツ1個
・玉ねぎ1個
・塩 野菜の重さの2%
・香辛料(ベイリーフ・キャラウェイシード・粒こしょう・唐辛子・にんにくなど)はお好みで少量(小さじ1)
1. 大きなボウルや鍋に、3mm程度の細切りにしたキャベツ(芯は除く)と、玉ねぎのみじん切り、塩、好みで香辛料を加えてよく混ぜる。
2. それをポリ袋(二重)に入れて、空気を抜くようにして口を輪ゴムでとめる。途中空気が入った時は、口を開けて空気を抜いて、とめ直す。(ポリ袋は二重にして、内側を結んでから、外側も結ぶ。)
3. そのまま室温で1週間ほどおいておくと酸味がついてきて美味しくなる。そこからは冷蔵庫で保存する。
○空気を押し出すようにしてキツくゴムでしばると、乳酸菌がよく生育し、産膜酵母をふせぐことができる。途中空気がたまってきたら出して締め直す。
○部屋の温度で乳酸発酵の速度が違うので様子を見る。
酒粕でチャレンジ! 江戸時代の専門書にある 珍しい漬物
きのこの乳酸発酵漬
・きのこいろいろ(2種類以上)500g
・水3カップ
・塩大さじ1〜1と1/2
1. しいたけは1cm幅に、しめじ、舞茸は小房に分け、マッシュルームは半分に木いる。
2. 1を熱湯でサッとゆで、水気を切り、保存瓶に入れる。
3. 分量の塩をよく混ぜて溶かした塩水を2の瓶に注ぎ、蓋をのせて(閉めない)1〜2日間室温におき、その後、蓋を閉めて冷蔵庫へ。約2週間保存可能。
○うまみや香りの食材をお好みで足してもOK!
○卵料理の具や、汁ごと使って炊き込みご飯や汁に!
干し椎茸の乳酸発酵漬
・干し椎茸の薄切り30g
・水1カップ
・塩小さじ1
1. 水に塩を加え、良く混ぜて塩を溶かす。
2. 熱湯消毒した保存瓶に干し椎茸の薄切りを入れ、1を注ぐ。蓋をのせて(閉めない)1〜2日間室温におき、その後、蓋を閉めて冷蔵庫へ。約2週間保存可能。
○汁や、リゾット、焼きそばなど、漬け汁も使って!
○切り干し大根50gでも、同じ容量・要領で出来ます。
作ってみよう!近年流行の 浅漬やピクルス
最近は超簡単レシピがネットで見られるので、あえて二度漬けピクルスをご紹介します!
酢漬けピクルス
・きゅう り小さいもの10本(約600g)
・食塩水(10%)きゅうりと同重量
(塩60gを600mlの水に溶かす)
・酢250ml
・水200m
・砂糖40g
・こしょう5g
・香辛料お好みで少量(ベイリーフ・オール
スパイス・クローブなど)
1. 小さなきゅうり10本を洗ってポリ袋に入れ、10%濃度の食塩水を注ぎ入れて下漬けをする。
2. 2日間そのままにしておくときゅうりがしんなりしてくる。
3. しんなりした下漬けきゅうりを取り出し、水を切ってから、本漬け用のガラス瓶につめておく。
4. 酢、水、砂糖を鍋に入れ、60℃程度まで加熱したら、こしょうと好みのスパイスを加え、火をとめ蓋をして30分ほどそのままにしておくと調味液ができる。
5.ガーゼを二重にしたものに調味液を通して濾過する。(粉のスパイスをそのまま使うと液が濁る)
6.濾過した調味液を3の瓶に注ぎ入れ本漬けをする。2日間ほど漬け込むと完成。
○スライスしてハムやサーモンと一緒にパンに挟んだり、肉料理の付け合わせに!!
四斗樽 (しとだる)
↑写真は茨城のたくあん漬け作業の様子。
干した大根の葉を水上げと密閉の為に利用する。
(この葉も塩抜きし炒め煮などで美味しく食べる)
四斗樽1本が72ℓ(1斗=18ℓ)、これを12月に3〜4本も漬けて、田植えの頃まで少しづつ食べる。
いま、オススメしたい 糠(ぬか)漬け!
日田の夏は暑すぎて「ぬか漬け」の文化はほとんど見当たりませんね。以前販売をされていたお店もありましたが、そちらでは業務用冷蔵庫で糠床を育てていらっしゃいました。
糠床は毎日混ぜて育てるものですが、日田では夏場なら日に2度混ぜてもすぐ産膜酵母(さんまくこうぼ※カビでは無い白い膜。毒ではないがそのままにしておくと漬物の風味が超悪くなるので出来るだけ取り除く。)が発生してしまいます。
何度も失敗したという方も多いかも知れませんね…。
そこで提案!近年の暖冬を利用して、今この季節に始めちゃいましょうー♪
本来なら旬の新鮮な夏野菜を漬けるのが一番ですが、今はキュウリなども当たり前に年中手に入るし、好みの野菜をじゃんじゃん試してみませんか?
カットして皿に盛り食べる前に冬でも冷蔵庫で少し冷やすと美味しいですよ。
白飯はもちろん、実はパンとも超合う♡食パンやバゲットのトーストや、サンドウィッチの具にも、麺類にも、一緒に食べると旨い!!ホームセンターに行けばすぐ始められるフルセットで揃えられます。
スーパーにも専用のヌカが売っていますよ!失敗したらまた始めればイイやん精神で♪
↑写真は茨城のたくあん漬け作業の様子。
干した大根の葉を水上げと密閉の為に利用する。
(この葉も塩抜きし炒め煮などで美味しく食べる)
四斗樽1本が72ℓ(1斗=18ℓ)、これを12月に3〜4本も漬けて、田植えの頃まで少しづつ食べる。
水と塩と手の魔法。実は乳酸菌
や酵母などの微生物が主役!
漬物は、元々保存の為の「塩蔵」としての始まりが容易に想像でき、世界中に存在しています。その中でアジアでは、特有の気候が育てた「発酵文化」の代表的存在。特に日本では味噌・醤油・酒粕・米ぬか・麹と色んな漬け床があり、季節の野菜の種類も豊富で、とても豊かな発酵食文化が育ってきた国なのです。発酵学の第一人者である小泉武夫さんによると「糠味噌漬けは日本だけの漬物である。」「親指の爪に乗るくらいの量の糠味噌の中に日本の人口より多い数の微生物がひしめきあっている」(西日本新聞社2008年「漬物のある暮らし」より)とのこと。先の「テリトーリオ」を日田から少し拡げると、地域の旬を大事にしつつ、あまり馴染みのない「糠漬」を楽しんでみるのもまた一興かもしれませんね。暖冬だからこそ出来る
「ぬか漬け事始めは秋冬から」が日田らしさになるかも!?
アジアの漬物は、炒め物やスープ等、料理に入れて使うことが多いようです。試しに白粥に刻んだ白菜漬けを入れて少し煮込んでみましたが、それよりも食べる直前に乗せて温度で少し歯応えが良くなる位のタイミングで食べる方が圧倒的に美味しかったです。日本はお米が美味しいから、繊細な発酵の旨みとの「口中調味」を楽しむ「口」なのではなかろうか?と思った次第です。
昔のひとの知恵の積み重ねを、
てっとり早く体感できる。
漬物がそれを教えてくれる!
日本酒造同様、菌と微生物と人の良好なお付き合いの上に成り立っているこの素晴らしい世界に、誰もが日常で参加できる貴重な機会です! 実は漬物は今、減少の一途を爆走しています。国の規制強化で漬物販売者がこの数年凄い勢いで減ってしまったからです(高齢者が多く今更設備投資は難しい)。
お好きな方は、買えるうちに聞けるうちに食べられるうちに行動しましょう!
便利な容器やジッパー付きの袋、天然塩、好きな野菜、どれも地元ですぐに揃います。
まずは自分で造ってみませんか?その土地でその家で出来た味にハマるかどうかは食べてみないとワカラナイですが、少なくともオンリーワンの味が出来るし、案外当たり前に「合う」かもです!漬物の話は、水の話であり農であり脳の話でした。
今、部屋中に前津江で聞きさっそく数切れ漬けてみた「いちろく漬け」が匂って…いや香ってきた。この特集が皆さんの目に届く頃には、初めて漬けたいちろくづけを食べているでしょう。さて、お味はいかに?