『進撃の巨人』の原作者・諫山創さんの「地元日田への恩返し」の想いとともに市民有志によって動き出したプロジェクト「進撃の巨人inHITA〜進撃の日田」。現在では『進撃の巨人』ゆかりの地として、日田をさらに盛り上げるために多くの関連企業やコラボ商品開発事業者が参加する「進撃の日田まちおこし協議会」と「日田市コラボ事業者協同団体」。日田の大切な観光資源として、私たち日田市民としても知っておきたい「進撃の日田」について、 協議会の土橋泰輔会長と根田政志副会長にお話をお伺いしました。
土橋泰輔(以下、土橋)「株式会社おおやま夢工房の社長をしております土橋です。ご縁をいただきまして、昨年の10月から進撃の日田まちおこし協議会の会長をさせていただいております。おおやま夢工房はJR九州の子会社で梅酒蔵おおやま、奥日田温泉うめひびき、そして進撃の巨人 inHITA ミュージアムのある道の駅おおやまを運営しています。私自身は去年の4月にJR九州から出向というかたちで社長に就任し日田に来ました。実はその前から『進撃の巨人』のマンガは全巻持っていて、いちファンとして家族と日田に来たりもしていたので、今こうやって進撃の日田のまちおこしに関わらせていただいていて、とても不思議な気持ちです。」
根田政志(以下、根田)「進撃の日田まちおこし協議会副会長の根田です。日田市内でhyappyoという会社を運営しています。出身は東京で、元々は東急ハンズでアニメグッズなどの商品販売に携わっていました。大分店に転勤になり、大分のことを知ったことをきっかけに、会社を辞め日田への移住を決めました。日田は良い意味で大分県の中では異質で(笑)、僕にとっては魅力的でした。最初は日田市の地域おこし協力隊として3年間活動しました。ちょうどクラウドファンディングによって大山ダムに『進撃の巨人エレン・ミカサ・アルミンの少年期の銅像』が完成した年でした。当時から多くの地元有志の方が関わっており、『進撃の巨人』で日田を盛り上げようと頑張っていたのを覚えています。」
土橋「今までティーアンドエスの稲葉会長が長く協議会の会長を務めてくださり、進撃の日田の活動に大きなサポートをしていただいていましたが、稲葉会長が退任されたあと、昨年10月から現体制となりましたが、私自身も日田に来て間もない時だったので副会長の根田さんや日田市観光課、日田市観光協会等の皆さんがサポートしてくれてとても助かりました。」
根田「協力隊の時は『進撃の巨人』のコラボ商品の開発をする事業者さんを増やすためにお声がけをしたり、その商品開発のサポートをしたり、コラボ商品販売イベントに関わらせていただきました。その後夫婦で会社を立ち上げ、自社でもコラボ製品も作りつつ、事業者さんを束ねる日田市コラボ事業者協同団体の副代表(代表はフォレストアドベンチャー・奥日田の宮部社長)もさせていただいています。」
写真のコラボ商品はすべて「道の駅水辺の里おおやま」にて販売中
土橋「協議会としては、ミュージアムなどの周年イベントや銅像を磨くというイベントを行っていて、県外から多くのファンが来て銅像を磨きます。ファンの方々が綺麗に整列して、銅像を磨いて帰るんです。進撃のファンはマナーもいいなと思いました。あとは外への発信も大切だと思っています。内閣府主催の『CJPF(クールジャパン官民連携プラットフォーム)アワード2025』のプロジェクト部門で優秀賞を頂きました。『進撃の巨人』を使って日田を盛り上げるこの取り組みは、最初に諫山創先生の想いから始まり、その想いを受け継いできた方々がいました。それをさらにティーアンドエスさんがぐっと後押しして今がある。それを我々がよりかたちづくり、地元の方を巻き込みながらもこのブランドを守り、日田の観光資源として残していけたらと思っています。」
根田「コラボ商品を取り扱う市内の事業者さんも今では40社近くまで増えました。事業者さんの個性があり、日田らしい商品開発が求められますが、日田の事業者であれば(法人や運営実績のある店舗など)どなたも参加出来るものです。」
土橋「それらの商品を公式にするために講談社さんの大きな協力があり、これは本当にすごいことだと思います。」
根田「各事業者さんそれぞれが講談社さんと契約をしていただく形になりますが、まずは観光課や日田市コラボ事業者協同団体に問い合わせていただければと思います!この「進撃の日田」の流れを止めないためにも新しいコラボ商品は必要ですし、きっとファンもそれを求めて日田に訪れてくれると思います。」
土橋「さらに日田市の方がそれを喜んでくれると嬉しいですね。」
根田「日田全体がテーマパークのようになると面白いなって思うんですよね。」
土橋「今年は新たなイベント開催に向けて動いています。多くのファン、そして日田市民の方が楽しめる、そしてこの「進撃の日田」の火を消さないためにも日田に根付くようなイベントができればと思っています。」
Vol.82 UNDER THE SAME SKY
Photo by Cotaro Ishii
Text by Yu Anai