Special Thanks to SHOGO KURIAKI’s Supporters【GOOD FISHING /川原工業 /栗秋組/(株)東豊開発コンサルタント/(有)西部開発】
KNOCK OUT BLACK
二代目フェザー級チャンピオン
KNOCK OUT GYM代表
○東京都 在住 栗秋祥梧 ○29歳 ○クロスポイント吉祥寺 所属 ○咸宜小学校・三隈中学校 ・日田高校 定時制
栗秋和輝 ○32歳 ○ノックアウトジム 代表/トレーナー ○咸宜小学校・三隈中学校 ・日田高等技術専門校
格闘技に出会う
栗秋和輝「子どもの頃は弟や同じ団地の子たちと野球やサッカーをしたり、二人ともスポーツが好きでした。」
栗秋祥梧「格闘技にハマったのは、テレビで魔裟斗vsブアカーオ・ポー・プラムック戦を観て、ムエタイ選手のブアカーオに憧れたことです。この人たちみたいに強くなりたいと思いました。心も体も。」
和輝「小さい時からよく兄弟で強くなりたい!って言っていました。僕が12歳で弟の祥梧が9歳の時に修闘館という総合体育館でやっていたムエタイジムに通い、格闘技の試合にも出るようになりました。僕は先に辞めたんですけど、弟は16歳まで続けていて、キックボクシングのジュニア大会などにも出場していました。」
祥梧「昼間は仕事をして、夜間学校に通いながらの練習は結構モチベーション保つのが大変で、お兄ちゃんが辞めて一人で通い出してからは正直寂しいというか…最後の方は気持ち的には試合にも結構出たし、もういいかなと思っていました。」
和輝「僕はどうしても弟に格闘技を辞めてほしくなくて、二人でもう一度一緒にやろうと独立しました。練習場所を借りられない時は、中ノ島にある小さなトンネルで夜な夜な練習をしました。」
祥梧「FacebookなどのSNSでいろんな大会に連絡をしましたが、フリーで試合に出れるのは本当に稀で、所属先が必要でした。そこでお兄ちゃんがフェニックスというキックボクシングジムを開設して二人三脚でやっていくようになりました。そこから九州の大会で5本のベルトを取り、自信がついてきた頃、次を目指したくてレベルスという当時トップレベルの選手がいる東京の団体へ連絡をとり、試合をさせてもらえることになりました。2戦勝って、もし次も勝ったらタイトルマッチをさせてくれるという3戦目で何もできずに負けたんです。悔しかった。このまま九州にいてもダメだと思い、今まで取ったベルトを全て返し7年前に上京。今の所属先でもあるクロスポイントに入りました。」
和輝「僕は日田で働きながらも、細々とジムをやってキックボクシングも選手として続けてたんですが、コロナでジムはたたむことになりました。その後当時働いてた会社に骨を埋めるつもりで働いていたんですが、クロスポイントの代表から連絡があり、ノックアウトという別のジムを作るからトレーナーとして来ないかと声をかけてもらいました。その時働いてた職場の人たちに背中を押してもらい、上京を決心しました。27歳で上京して4年、今はそのジムの代表をさせてもらっています。」
兄弟でやってきたことの証明
祥梧「ジムは違えど、一緒に練習もするし大切な試合はほぼお兄ちゃんにセコンドについてもらってます。お兄ちゃん無しには自分の格闘技は語れません。何かに向かってやってるというよりも、昔からお兄ちゃんとやってきたことを、今も東京でやるだけ。僕ら兄弟がやってきたことが通用するんだとtいうことを見せていきたい。ただ今はチケットも売らないといけないし、お客さんにも満足してもらいたい。そして自分の納得いく試合もしたい。」
和輝「今思えば、二人で独立してなければ5本のベルトも取ってなかったし、僕自信も格闘技をもう一度始めることもなかった。続けていたからこそ、僕も上京できたし、弟には感謝してます。そして東京で一緒に練習をしてきて、今回年末のノックアウトでベルトを取ることが出来た。自分たちがやってきた結果だと思うとすごく嬉しいです。」
祥梧「格闘技を楽しくやりたいと思う反面、勝たなきゃいけないプレッシャーや不安はあります。正直、このベルトを取った時、感極まって泣くのかなと思ったんですけど、違った。もっと強い人と戦いたい!と思いました。人は努力すれば誰でも強くなれるけど、自分の納得のいく強さになりたい!きっと、どんな職業でも好きなことを仕事にするリスクってあると思います。好きなことなのに嫌になってしまったり。でも諦めずにコツコツとやる。自分の好きなことに対して納得いくまでやることが大切だと思います。よくメディアで『栗秋祥梧は練習嫌い』と書かれてますが(笑)、嫌いなんじゃなくて、肩の力を抜いて、リラックスした状態で試合に挑みたいと思ってるんです。常に楽しみたいと思っています。好きだから。今はキックボクシングからMMA(総合格闘技)に向けての練習に切り替えてやっています。ノックアウトにアンリミテッドというカテゴリーができ、寝技なしの立ちも寝ても打撃ありというスタイル。今後ノックアウト=アンリミテッドとなるように僕がそこを引っ張って行けたらと思っています。」
和輝「まだこれからです。でもいつかまた二人でジムやれたらなぁと思います。僕らのように九州から出てくる子のサポートもできるような!」
Vol.62 UNDER THE SAME SKY
Photo by Cotaro Ishii
Text by Yu Anai