

ある日、フカフカな布団の中。
4歳の長女から「私ね。曲を作ったの。」と声をかけられて、一日が始まった。
眠たい目を擦りながら、「聞かせて。」と言うと、
娘はスーーっと肩で息を吸い、歌う準備を整えた。
“きーらきーらひかりますー。こーやのうえでー。
まーちーのなかでおばけにあう。こーわいゆめをみた。
きーみはおそらのうえでねーてみーたいかなー?”
とマイナー調のメロディーで言葉を綴った。
「この曲自分で作ったの?」
そう聞くと、長女は笑顔で頷いた。
最近は家でくつろいでいると、
「パパ見てー!」と呼び出されることが増えた。
「私、鉄棒ができるようになったのよ!」と、
部屋に設置している鉄棒で逆上がりをして見せた。
昨日までできなかったことが、今日できるようになる。
その経験が嬉しくてたまらないのだろう。
娘はその度に、目を輝かせながら報告に来る。
4歳の娘にとって、
歌を聞かせることも、鉄棒をすることも
きっと未知への大冒険なはずだ。
特に鉄棒については大きな恐怖もあっただろう。
大人になると、いつの間にか失敗を避けるのが上手になっていく。だけど、果敢に挑戦をしている娘を見ていると、できないことに飛び込んでいく勇気の方が、本当は大切なのかもしれないと思わされる。
昔はできないことほど面白かった。
そのことを、娘が思い出させてくれた。


