最近では年末を避けて十一月に忘年会を行うことが増えてきた。いつもふらふらしているとお店に詳しいだろうと幹事を頼まれることも多々あるが、これもなかなか大変でこのシーズンのみに大人数を入れてもらえるお店は限られてくるうえにこのシーズンで早い者勝ちとなるとなかなか骨が折れる。そうだこんな時は大衆居酒家いちふくさんにしよう!と前乗りでいちふくさんへと足を運んだ。
店内へ入るとカウンターから座敷まで大勢のお客さんで賑わっている。そのうえ二階には広間も在り、大人数にも対応できるお店だ。カウンターが一席空いていたのでそちらへ腰かけビールと鶏皮酢と唐揚げを注文してそのついでに忘年会の予約をした。無事にお店を予約できたのでここからは僕の楽しむ時間だ。肴も酒も旨いが、いちふくさんと言えばデザートピザのリンゴピザが有名だが、ここはあえて僕の好きなバナナのピザを注文した。
一人で飲んでは居るものの店の中の活気に全然孤独を感じない。この賑やかさの風景の一部となって居ることがむしろ心地よく感じ、余計に酒が進むではないか僕は一気にビールを飲み干し二杯目を注文した。皮酢とビールを交互に口へと運び時折、ボリュームのある唐揚げで腹を満たしていく。実に至福である。それから数杯飲んだところでバナナピザの登場。このバナナの滑らかさとカスタードクリームの甘みと薄く温かいピザ生地の香ばしさがたまらない。甘い物は温かいと甘みを増すので、酒で苦みの残った口の中が一気に甘みで満たされていく。実に満足である。
僕はお会計を済ませるとまたふらふらと隈の町へと歩いて行った。一年共に頑張ってきた仲間たちと一年のおさらいをしながら食事をすると言うことは大切なことだと思いながら、また次の一年も頑張れるといいなあと続けて思った。