もちろん誤植じゃないですよ。
木配りとは、大工さんが建物を建てるときに、節や色味など表情の異なる木材を、建物のどこに使ってあげれば材が活きるのか、適材適所を見極めて、使う場所毎に材を、その据える向きを決めていく作業のことを指すのだそう。目的の建築用に集める木材は、希望や用途に応じて揃えて集めるのは当然ではあるけれども、自然物だけに自然の材には一つとして同じものは無い。山で同じ場所で同じ陽を浴びて育ったはずなのに、高さも太さも枝ぶりも根張りもみ〜んな違って、四方に全て均質に歪みなく同じ色柄ということはあり得ないので、ここで材料個々への目利きが必要になるということだ。それには色合わせや節の有無などの見た目も大切だけれど、材料や構造の強さを出すなどの性質的なことも含まれていて、例えば、柱は元々生えていた状態を再現する、 つまり根「元」(もと)の部分は下に、梢端の「末」(すえ)の部分は上にする。板材では外皮に近い方を「表」に使うのは、ツヤ感、目の詰まり方や反り方が違うから。幹の中心部が角材のどこにあるかでも反る方向が変わる。など
長い年月をかけて育ってくれた一本一本の材料を活かし切るために、その個性を汲んで短所にせず長所にすべく適切に配置する…まさに気配り!棟梁って偉大!!
最近は工法とともに現場仕事も変わってきてるそうなのだけれども、思いとともにこれからも耳にする言葉でいてほしいですね。
【ひた女コラム】 日田林家 あささん 木配りと気配りのこと