「なぁ、時間空いてないか?」
ふと思い立って弟2人を居酒屋に呼び出した。
僕は男3人兄弟の長男として育った。
僕を含めて兄弟3人ともAB型だったこともあって、子どもの頃よく母親から『もし誰かに何かあったら血を分け合うのよ。』と言われていた。
小さい頃はいつも一緒に過ごした。
兄弟と友達と一緒に遊んで、家に帰ってからもその遊びの続きを兄弟だけでしていた。たくさん喧嘩もしたけれど、同性の兄弟は趣味が近くて寂しい思いをしたことがなかった。そして、歳を重ねるごとに各々友人との出会いがあったり、部活に打ち込んだりで少しずつ一緒に過ごす時間が減っていった。数えてみたら約8年ぶりの3人。
男兄弟で話をするのはなんだか照れ臭いものがある。
「麦のソーダ割りを3つください。」
お酒が減るのに比例をして、僕らの話も深まっていく。
仕事の話、家族の話、今後の人生の話。
あぁ、みんなそれぞれ頑張ってるんだなぁ…。気がつけばみんな顔も赤くなっていて、
「そろそろ兄弟で何か一緒にできたら良いね。」
そんな話に落ち着いて解散をした。
お酒に酔った帰り道。
前回はたわいの無いバカ話がほとんどで、今回の話の中にそれぞれの8年を感じることができた。
今、僕にも娘が2人。
やはりこの世界から先にいなくなるのは自分たちだから、娘2人には助け合って生きて欲しいと願う。
そんな親心を少しずつ理解しながら、
僕らもそんなふうにありたいと思った夜だった。
【オヤ侍コラム】 矢羽田 健太 あの頃と、これからと