このヒタスタイルさんのコラムを書くにあたって、日田で長年やっているお店さんの事を書いていこうと決めていたので10年経ったら書きますと約束する時がある。
そんな訳で今月はオープン当初から来ている宅呑み屋パプリカさんが10周年になったので約束通りにお店へ出向いた。ここは珍しくカラオケの無い飲み屋さんで、宅飲みのように気軽に通える店をコンセプトにしている。僕はお酒を飲むときは人と話をすることをメインとしているので実に居心地が好いのだ。他のお客さんも友達等との会話を楽しみお酒を飲んでいるいつもの光景に、無いことによって生まれるものも有るのだと感心することもある。
ここのママさんのリカさんは長年バンドをやっていて音楽好きのお客さんも多いのが特徴だが、店内にはゲーム機が有ったり本が置いていたりと楽しみ方はお客さんの自由なのでまさに宅飲み感覚だ。ギターを抱えて自由にオリジナルソングを歌うおじさんが居たり、カードゲームで遊ぶ若者が居たり、ママに話を聞いてもらう単独客や、酔っぱらっていきなり占う占い師が居たりといつも自由な雰囲気が広がっている。
そんなお店が日田で10年続けて来たことにも感慨深いものがある。どのお店も10年あれば心が折れそうになったりと挫けそうになることも多々あったと思うがそれでも続けて来たから10年目を迎えられるのだ。そこには自身の頑張りも有るが周囲の応援もありとたくさんの歴史が有るのを思い返される。
僕は宅呑み屋パプリカさんでジンのロックをグイグイ呑んでいい気持ちになってきた。そこには笑い声があったり音楽が有ったり、ゲームがあったりとそれぞれの楽しみが広がっている。話した内容なんて覚えていないが笑った印象だけが残り響くお店だ。僕は最後にもう一杯ジンのロックを飲み干して宅呑み屋パプリカを後にした。こうやって色んなお店が続くといいなと夜の隈町をフラフラと歩いた。