
今年も『みんなの宇治山哲平展―晴、歓―』が、アオーゼ2階にて無事に開催に至りました。今年は、宇治山さんの母校でもある日田高校に寄贈され、以来校長室に飾ってあった2作品を特別にお借りし展示させていただきました。一般公開したことはなく、おそらく皆さん初めて観る作品なので貴重な機会になります。もしかしたら、校長室に呼び出された生徒たちは観たことあるかもしれないけど(快く引き受けてくださった日田高校、そして船津校長、ありがとうございます)。
また、寄贈年は分かるが制作年は分からないこの2作品。しかし、展示会を巡回していると、〝このくらいの時期に描いたのではないか?〟と見えてくるような、そんな展開が約半分あり、それから、左右どちらから観ても具象から抽象へと移り変わるコーナー、三角の丘作品を3点、三角形に配置し、その真ん中に(最大の転機となった代表作)『石の華』を配したコーナー、さらに青のコーナー、妖怪?コーナー、最後はタイトルに因んだ晴れやかな歓び(小作品)コーナーと流れ、メイン作品に戻ってくる〝晴歓環状〟と呼べるような、そんな展示になっていますので、グルグル回って、次第に晴れやかな気持ちになっていただけると嬉しいです。
年配の方々からは、今でも説明が欲しいと言われることもありますが、著書などからも宇治山さんご本人は〝とにかくみずみずしい心で作品を観てほしい〟というメッセージを受け取り、ぼく自身も小さい頃から宇治山さんの作品は大好きだったので、説明や年代などの数字の情報よりも、まずは自分の心と向きあい、出来る限りみずみずしくあるよう心掛けてみるのも、絵画鑑賞の良き姿勢なのかもしれません。この世界は、自分の心持ち次第で如何様(いかよう)にも変わるものだからこそ。
そう思うと、宇治山さんは(晩年は特に)仏教的な世界観を、自身の絵画表現の中に持ち込もうとしたのではないかとも思えてくる。現に、日田のお寺に宇治山さんの作品が点在しているのも頷(うなず)ける。
時代も社会も、窮屈で混沌としてきているからこそ、そんな中でも務めて明るい方向を見てゆこうという〝意志〟が最も大切だと、そう言われているような気持ちになり、思いがけず手を合わせた。


