

この季節はいつも花見のスポットの事を書いているが今年はどこの花見スポットを書こうかと考えていた。亀山公園や萩尾公園と書いていたが日田でまだ書いていなかった鏡坂公園へと出向くことにした。三隈川を越えて上野町へ行き鏡坂公園へと向かった。
鏡坂公園と言えば古くから鏡坂バッティングセンターが在ったが今はもう更地となっている。そしてそこを過ぎると鏡坂公園へと辿り着いた。ここは桜の花も美しいが展望台から眺める日田の町も絶景である。晴れた日に眺めると三隈川に陽の光が乱反射してキラキラと輝いて見える。その昔、景行天皇が熊襲を制圧した帰り道に『この国の姿は鏡の面に似たるかな』と言ったことから鏡坂と名付けられたと言われている。
淡く優しい色味の花びらの合間からきららかに輝く日田市を一望できるとなればこれほど愉快なものもない。僕は缶ビールの蓋をプシュッと空けて一人花見と洒落込んでみた。今この絶景を独り占めして眺めるなんて贅沢にもほどがあるが、この忙しい世の中でこんなひと時があっても良いものだ。
景行天皇が眺めた頃は三隈川の水も多く刃連町の辺りまで水があったと言われているが、もしや石井町辺りで川がせき止められていたのかな、等と昔の日田市を思い浮かべた。そこまで水か広がっていたのならまさにこの丸く広がる日田市は鏡の様だったろうなと思ったり、そこで稲作を始めたり、その作業を行う人々が歌う姿などの様々な思いを巡らせた。
この古くからある日田の町はここに住む人々がたくさんの思いを繋ぎ、続いてきたのだと感心しながら眺めていると、その日田の人々の思いがキラキラと輝いているようにさえ感じてきた。人は忙しさや先行きの見えない不安から視野が時折狭くなってしまう。僕だってそうなのだからたまには、こんなに素敵な景色を見ながら一息吐くのは大切な時間だと思う。これからも日田がキラキラと輝いていけるように。


