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2026年11月1日

台所の終りは食の始まり

台所の終りは食の始まり
2026年11月1日

これらの写真は、ヒタスタイル編集室が、一年の間に「堆肥(たいひ)」という畑の土の足しになるものに変換させていった、調理残さなどのほんの一部です。
正直「食品ロス削減」を訴える資格もないような無駄をやらかしてしまう(腐らせてしまうなど)事もあります。それでも、全部堆肥になると思うと、料理は色々ナカナカ楽しく、何より「環境にいい事してる満足感」が得られる事が、とても大きく、嬉しいことでした。

 

この街の素敵なコトがまた一つ終わる、そんな残念なお話と、これからの水郷日田のお話。

毎日の食生活に密接に関わる仕事を2006年から担ってきた、一つの公共設備が、来年の3月に施設老朽化で仕組みごと廃止になります。20年という歳月が育ててきたもの。それは、ただ生ごみを資源に変える仕組みだけではなく、毎日の食卓から出る小さな分別の積み重ねが、いつのまにか街全体を包む環境への取り組みになっていて、誰かに褒められるためでもなく、いつもの暮らしの中で当たり前のように続けてこれた事。その当たり前こそが、どれほど奇跡的に尊いものだったのか。生ごみから生まれる電気を使い、土へと還って次の命を育てる堆肥をつくる。捨てられるはずだったものが、新しい命をつなぐ資源へと生まれ変わる。そこには、人と自然がつながる小さくも確かな循環があった。
環境都市、水郷日田。このまちが育んできたのは、目に見える施設だけではなく、暮らしの中に根づいた自然を大切にする心だった。来春、その循環を支えてきた施設が姿を消す。時代の流れの中で、終わりを迎えなければならないものもある。それでもふと思う。生ごみを燃やしてしまうことだけが、本当の選ぶ道なのだろうかと。

生ごみ = 生資源

施設が無くなっても、私たちにできることまで無くなってしまうわけではない。台所から出る生ごみを小さなコンポストに入れてみる。庭の草や落ち葉を土に還してみる。自分の暮らしの中で出来る事を、できる範囲で続ける。それだけでも未来は少しずつ変わっていくのかもしれない。便利さの中で忘れかけていた大切なこと、食べ物を育てる土があり、その土を育てる命があり、私たちの暮らしもまた、その大きな循環の中にあるのだという事。
世界中で大切にされるようになった言葉、「もったいない」。それはただ物を無駄にしないという事だけではなく、命を無駄にしない、自然の恵みを無駄にしない事。
そしてこれまで積み重ねてきた人々の思いを、未来へつないでいく事。大きな施設がなくなっても、一人ひとりが心の印に小さな循環の種を蒔く事はいつでもできる。
今日の小さな一歩が、明日の土を育て、やがて次の命を育んでいく。気候変動が世界的な問題となる今、先進国の中で最も自給率が低く食も資源も輸入頼りの危ういこの国で、水郷日田の20年が教えてくれた事。それは、本当に大切なものは私たち一人ひとりの暮らしの中にこそあり、未来を変える力がそこに潜んでいるという事。だからこれからも、出来る事から少しずつ続けよう!「もったいない」という心を、このまちの未来へ、そして次の世代へ。

(※堆肥の袋数と発電量の家庭使用換算はヒタスタイルによる換算数、その他の数字は日田市環境白書・令和6年度版より)

数字の向こう側には、毎日、生ごみを分別してきた市民一人ひとりの協力があります。ごみとして捨てられるはずだったものを資源に変え、エネルギーを生み、農と環境へとつないできた、その歩みこそが日田市民がともにつくってきた価値ある生活文化の歴史なのだと思います。 

20年前「環境都市」を掲げ、環境問題に力強く取り組んだ当時の市長の英断。 それを支えた市職員の皆さん。 そして何より、税金という形で支え、日々の生ごみ分別にも地道に協力してきた日田市民の皆さん。一人ひとりの小さな努力がこのまちの未来をつくり、自然と共に生きる尊厳を支えてきたのだと思います。 もったいない精神が息づく貴重な「食の循環」を築いた20年。その尊厳と誇り、そして自然の恵みを大切にし次の世代へ記憶をつなぐ事を忘れずに、これからも、色んな形で、自然の恩恵へ感謝の気持ちでお返しを、みんなで何かしらしていければ良い!そんな街であり続けられればなあと思います。

https://hitastyle.com/wp-content/uploads/2026/10/スクリーンショット-2024-12-03-9.44.04_4.mp4

自然の恵みを大切にしながら、資源を循環させて人と自然が共生する社会。
バリ島のトリ・ヒタ・カラナが示す、神(森羅万象)と人と自然との調和という思想を重ねる、持続可能な循環型社会への考え方は、きっと未来のまちへと受け継がれていくはずです。

「トリ・ヒタ・カラナ」はバリ島では今も息づく古い考え方。「サンスクリット語」は昨年11月号の「日田ん狛犬特集」でも少し触れましたが、古代インドを中心とする南アジアから東南アジアで使われた言語です。欧米の言語形成にも影響し、日本語もサンスクリット語が語源の言葉が多数あります。

憩いの杜 やませみ 前津江町大野2192 ☎︎ 050-8885-3212
【営業日】毎週金曜・土曜日【営業時間】10:00〜

“The Ever- A Circling Universe”
Special feature back number


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