

食欲の秋とはよく言ったもので、未だに暑いが十月ともなれば若干涼しさを帯び夏に疲れた体へ食欲をわかせてくれる。いつもと気分を変えて食事をしようと訪れたのは金比羅うどん夜明本店さんである。何故に夜明本店さんかと言えば、何よりも三隈川を眺めながら食事のできる在りそうで無い珍しいスポットだからである。
三郎丸橋の壊れている今は難儀ではあるが迂回してでも行く価値のあるお店だ。夜明へと行き三隈川沿いの広い駐車場へ入るとゆとりのあるスペースでこれだけでも気分がいい。店へ入り今回はやはり景色の良い窓際の席へ座る。金比羅うどんさんの楽しみと言えば、メニューの豊富さにある。ここのメニューの豊富さはメニュー表を眺めているだけでもワクワクしてくる。そして飽きさせない季節限定のメニュー。金比羅うどんさんは観光祭の花火もそうであるが、本当にみんなを楽しませようという心が溢れている。だから楽しいのだ。
辛い旨辛麺うどんも食べたいと迷いもするが、ここでいつもの如くかつ丼セットを頼んだ。かつ丼とうどんを同時に食べながら三隈川を眺めるなんて最高である。サックリとしたカツの衣に甘く柔らかい卵とじが、ご飯を掻き込ませる。そして手打ちうどんであるが故に不揃いの麺が昆布と大量の鰹節で取られたうどんの出汁を絡めて味わいを変えながら口へと運んでくれる。楽しい。楽しく美味しく箸が止まらない。橋は止まっているが箸が止まらんとはこれ如何にとくだらない冗談を思いつつも、窓から覗く三隈川の雄大な景色は心を穏やかにさせてくれる。
長年、日田の人間を楽しませてくれている金比羅うどんさんはやっぱり素敵なお店である。遠回りしてでも足を運ぶ価値のあるお店だとしみじみ感じながら僕は白くつるんとした麺を食べ終えると風味豊かな出汁で流し込んだ。胃袋も心も満足である。食べ終えた僕は駐車場でしばらく景色を眺めた後で帰路へとついた。またこの美人なうどんに会いに来よう。


