
○ 認定こども園みのり 園長 髙山 耕
○ ひかりこども園 園長 内山 眞紀
○ 令和こどもの森 園長 鋤柄 洋嘉
日田市内の社会福祉法人立の認可保育園・認定こども園とその職員で構成され、現在17園の約280人が会員の「日田市民間保育連盟」。認定こども園みのりの園長・髙山耕さんは西光寺のご住職、そして連盟の会長をされています。ひかりこども園の園長・内田眞紀さんは元保育士。東京での経験を活かしながら実家のこども園を引き継がれています。令和こどもの森の園長・鋤柄洋嘉さんは社会福祉を学び、日田へ。前職の経験から児童発達支援や療育の大切さも重要視しています。各園独自の方針はある中で、共通テーマを持って活動する連盟の連携の強さ、日田全体の幼児教育・保育の意識の高さを知ることのできる対談となりました。
髙山「認定こども園みのりは仏教保育(真宗保育)、日田市内の大谷保育協会に関わる6園の一つです。『ともに生きともにそだちあう保育』を方針に掲げ、子ども達と花まつりや報恩講なども一緒に行っています。そして必要な新たな保育の政策も取り入れながら、アップデートしていっています。」
内田「ひかりこども園はキリスト教の園ではあるんですが、宗教色はあまり出さないのが両親の方針でもありました。創立者である父は『世のため人のため』という考えを大切にしていました。私自身はモンテッソーリ教育を学んでいたのですが、やはり園を引き継ぐのであれば、先人(家族)の思いは大切にしたいなと思い、しっかり継承していきたいと考えました。」
鋤柄「令和こどもの森は令和2年に大鶴にある白毫こども園が開設しました。妻の実家でもあります。私自身は大学で社会福祉、特に児童福祉の中の被虐待児のケア、発達障害児の支援を学びました。その後、情緒障害児の心理治療施設で働き、結婚を機に日田に来ました。うちの園も髙山先生と同様に仏教保育の理念を大事にしながらも、小さくアットホームな園なので、保護者との距離も近く、子どもも当然ながら、保護者支援に力を入れています。元々被虐待児のケアなどをしてたこともあり、『家庭』の大切さを感じています。」
ヒタスタイル「日田市民間保育連盟の主な取り組みなどを教えてください。」
髙山「保育連盟の目的としては、各施設の連携はもちろん、合同研修などを行い、親睦を深め、共通テーマで取り組み児童福祉全体の増進に寄与しましょうということです。全国レベルの講師の召喚は連盟だから実現することです。園には保育者だけではなく、給食の調理職員や栄養士、看護師や保健師などもおり、職種別の学びの場も設けています。医療的ケア児の受け入れには看護師が必要で、今は国の方針もあって、保健所との連携も密にできていると思います。」
内田「まだ市でも医療的ケア児の概念が浸透していなかったころ、医療的ケア児さんのお母さんが毎日園に通い、園と二人三脚でその子を支援したことがありました。しかし今は市役所や保健所との連携がしっかり整っていて、日田はすごいなと思っています。当たり前ではないですよ。」
鋤柄「日田では栄養士さんが集まり、離乳食の進行表を統一で作ったり、なかなかそういう市町村はないです。保育連盟では大学の先生を招いて食事指導の勉強会をおこなったり、私たちも含め職員の質の向上を図っています。園長同志も横の繋がりがあるので、相談し合ったりできることも良いことだなと思います。」
内田「日田のどの園も教育方針がしっかりしていて、お子さんを第一に考えた保育をしています。見学に来て迷われているご家族には『日田はどの園も良いですよ!』って伝えます。療育のお子さんの支援も充実してきていると思います。」
髙山「療育の歴史はまだ浅いかもしれませんが、日田市も『こども総合部』を設置して相談窓口もできましたからね。」
内田「誰も取りこぼさないために。一人一人が主役に。ですよね。」
鋤柄「うちも療育施設を運営していますが、国が障がいがある子もない子も一緒に生活するというインクルーシブ教育を推めていて、日田でも園と療育施設が連携して一緒に課題解決が出来るようなシステムがあります。」

髙山「子どもたちが偏見なく助け合う姿こそ『ともに生き ともにそだちあう』です。あとは地域との繋がり。地域の方が安心して園や子どもたちと関わり、子どもたちも安心して遊べる環境づくりが大切です。地域との交流を大切にし、地域に求められる存在でもありたいです。」
内田「そして日田は自然環境が豊かで、子どもたちの遊び場が沢山あります。」
鋤柄「遊びが学びなんですよね。」
内田「乳幼児期って人生の土台。その時期、私たちがどれだけ一人一人に愛情を注げるかだと思っています。
鋤柄「単に子どもの遊びを見守るのではなく、保育者は専門性を持って実践しています。その保育者自身のサポートも大切にしています。」
内田「私は保育教諭なので、自分も成長出来て、こんなにやりがいのある仕事はないと実感しています。」
髙山「子ども主体、そして保育者主体の『共主体の保育』を実践していきたいですね。そして小学校以降にも繋げていく『幼保小の架け橋プログラム』も日田市や学校機関と連携して始まりました。」
内田「私自身も地域や保護者の方々と小学校での読み聞かせに参加していて、地域が学校や子ども達に関わる環境があることはとても大切だと思います。」
鋤柄「人口減少に嘆くのではなく、保育の質を高め、日田市全体で子どもたちの成長をサポートし、子育てしやすい街なんだと認知される努力をしていかなければと思っています。」
Vol.97 UNDER THE SAME SKY
Photo by Yuji Nakamura
Text by Yu Anai


